1時間あたり3000円~は高い? 便利屋の懐事情と適正価格

 

 

みなさん、こんにちは。2013年3月に創業し、本日までの様々なピンチを乗り越えて稼働してきました。 

 

創業当時の悩み

創業した当時、手前味噌ですが、サービスの質には自信がありました。もともと塗装業・大工業の豊富な経験がありましたし、知人・友人の家やお店、そして自分の部屋の修理や簡単なリフォームなどを行ってきた実績がありましたから、お客様が日常でちょっと困ったことであれば、プロの便利屋として解決できる自信があったのです。

しかし一方で、あらゆる不安というか、悩み事もありました。なにしろ、自分の名前で商売するの事は初めてのことでしたから、

  • 商売の内容の決定
  • マーケティングの作戦を考える
  • ホームページの設置
  • 道具や車の購入
  • 事務所兼自宅として使える不動産の契約
  • フリーダイヤル利用の手続き
  • 役所への事業主登録
  • 損害保険への加入、

など、様々なことをを手探りでこなす必要がありました。起業だったり、新規事業の創造をご経験されている社会人の方がにとっては当たり前のことかもしれませんが、本当にいろいろなことを決めないと前に進まないので、間違ったとしても仕方ない、、、と割り切りった気持ちで意思決定をしてきました。

本当に全部ゼロから決めなければならかかったので、そのような経験は僕の人生ではじめての事だったと言っていいかもしれません。とても大変でした。

 

料金設定は悩みの本丸

そのような悩み事の中で一番頭を悩ませられ続けたのが、料金設定です。実は未だに、料金については悩んでいます。

理念は、「誠実に行動し、お客さまが笑顔になるお手伝いをする」です。お客さまにとっては割安に感じていただける料金設定が一番です。しかし、事業として便利屋を行っている以上、利益がでないと、会社として立ち行かなくなっていましますから、弊社として、利益が出る料金設定でなければなりません。この2点が並び立つ適正価格を模索しなければなりません。

創業当初は、集客できるかわからなかったので、「京都で最も低価格の便利屋」であることを売りにしようかと考え、実際に数ヶ月そういう価格設定で商売をしました。しかし、お客さまから、「京都で一番やすいんですよね? だったら、●●円で作業してください」と、予想して無かった理不尽な値切り交渉を受けたり、実際に受注できても、損益分岐点を超えるかどうか微妙な水準の売上しか立てることができなかったりと、辛い思いをしました。

今思えば、商売人としては失格だったと思います。プロとして事業を営む以上、利益を出さなければ廃業しなければいけなくなります。サービスの質を高め(お客様の満足度はこちらで担保する)、低価格競争に走らずに、ずっと操業できるだけのキャッシュフローを確保するべきでないと学びました。

 

どうやって価格を決めるのか?

では、弊社はどのようにして基本料金を設定してるのか。価格設定に正解はない、、、と感じますが、弊社の場合は下記に2つを意識しています。

  1. 相場価格から決める
  2. 会社のコスト構造から決める

 

相場価格から決める

お客さまの「満足度」は「サービスの質」と「価格の妥当性」の掛け算で決まると思います。

〈 満足度 = サービスの質 × 価格のの妥当性 〉

消費者としては合理的な行動だと思いいますが、お客さまはそれなりに相場価格を把握されてから弊社に問い合わせをいただくケースが多いような印象を受けます。

したがいまして、同業他社(競合)さんと比べて設定価格か大きく離れていると、どれだけサービスの質が高かったとしても、お客さまは「割高なサービス」と感じてしまう可能性があるのです。よって、相場価格から大きく離れ\た価格設定は難しいのです。

 

会社のコスト構造から決める

会社を自分で経営するようになってから初めて意識するようになりましが、実際、事業を運営するには様々なコストがかかりますし、現場以外でも様々な時間(道具をメンテナンスしたり、お客さまの問い合わせの電話やメールに回答したり、領収書を発行したり、初めて行うような作業についてはじっくり調査したり、スタッフのトレーニングをしたり、、、など)を使って会社を経営します。ですから、基本料金には、これらのコストを反映したものでなければ会社が立ち行かなくなります。 

例えば、1日10時間働くとして、実際に現場に出れるのが5時間だった場合、

〈 基本料金 × 5時間 =1日の売上 〉 

となります。

仮の話しですが、基本料金が1,000円だとすると、1日の売上が5,000円、基本料金が6,000円だとすると、1日の売上は30,000円。これらの売上から運営コストを引いたものが会社の利益になります。

 

下の表は、なんとなく肌感覚として便利屋を運営していてつかんだコスト構造です。

 

費目 説明 割合
運営コスト 事務所や道具を用意したり、戦略策定のコスト 30%
営業コスト 案件を受注するためのコスト 30%
現場コスト 現場スタッフのコスト 40%

※出典:筆者の肌感覚

 

 以上から、1時間あたりの基本料金を3,000~4,000円に設定するに至ったのです。(この値段はあくまでも基本料金で、特殊作業は別途追加料金をいただいています)

 

便利屋市場の価格弾力性

曲がりながりにも事業を経営しながらいろいろ勉強していると、価格弾力性という概念があることに出会います。「値段が変化すると、お客さんの数がどれ位変化するか」ということですね。

 

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グラフにするとこんなイメージでしょうか。値段が高ければ、お客さんの数は少なく、値段が下がると、お客さんの数が増加する、、、というグラフです。

簡単に説明すると、値段とお客さんの数には相関関係がって、値段が上下することでそのサービスを欲しがるお客さんの数が上下するということです。

このようなイメージはなんとなく想像できますが、実際にどのような曲線なのでしょうか。。。。この質問は経営上とても大切な情報に思えますが、どこを探しても答えは見つかりません。こればかりは自分の肌感覚として感じるしかないようです。

経営者としての本音を言えば、値段を高く設定したいのです。値段を高く設定することで、1家あたりに掛けられる時間も労力も増やすことができるようになります(例えば無料で追加サービスを行うなど)。そうすることで、経営上必要なキャッシュフローは確保しつつ、1家1家のお客さまとじっくり向かい合うことができるようなりますし、スタッフのトレーニングや道具にもっとお金を掛けられるようになりますし、その結果、お客さまのサービスに対する満足度は増すでしょうから、リピートしていただけることも期待できますし、現場の作業者としても満足できるようになるでしょう。

しかし、です。価格弾力性が未知数のなので、安易に設定価格を替えることは難しいのです。もしお客さまが敏感に値段に反応されてしまうと、サービスの質云々のまえに、売上がガタ落ちしてしまい、廃業しなければいけなくなってしまうかもしれないのです。

 

神の手

価格弾力性といいう概念は、経営者として、市場にサービスを提供する側からみた気になる要素ですが、それ以外にも、神の手で値段が決まる的な理論もありますね。価格は需要と供給の量から、市場メカニズムの「神の手」がなんとなく適正な価格を割り出し、その価格周辺で落ち着く、、、と経済学の世界では一般的に認識されているようです。前述したとおり、同業さんたちの相場はチェックしていますが、どこの同じような価格設定に落ち着いているようですので、この神の手理論にもそれなりの真実があるように感じます。

 

 

以上、だらだらと思うところをかきましたが、お客様視点から見ると、1時間あたりの基本料金は割高に感じるのでしょうか、割安に感じるのでしょうか。できるだけ割安だ、と感じていただけるように、サービスの質を維持できたらな、と思っています。京都に在住で、なにかお困りのことがあればお気軽にお問い合わせください。

 

 

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